工場の設備配置(レイアウト)

久しぶりに、工場の現場をみていろんな改善ポイントに気付きましたが、その前にレイアウトの基本を振り返りたくて書きます。

レイアウトの分類

大きく4つに分類できるかな?

  1. 固定式レイアウト
  2. 機能別レイアウト
  3. 製品別レイアウト
  4. セル生産レイアウト

それぞれの特徴については…

固定式レイアウト

造船など大型の製造物を作るレイアウト。製造物を動かすのは不効率なので、製造物を固定して、その周りを生産設備や作業員が動いて生産するレイアウトです。その特徴は、

  • 船舶や大型の製造品に適用される。
  • 設計、工程の変更に対応しやすい。
  • 重量物である製造品は移動しない。
  • 作業者や機械工具が移動する。

機能別レイアウト

同じ工程や機械をグルーピングし、効率的に運用することを重視したレイアウト。その特徴は、

  • 多種少量生産に適している。
  • 製品ごとに加工プロセスや使う機器・道具が異なる場合に適している。
  • 設備の稼働率を上げやすい。
  • 製品毎に機械の配置は変えない。よって、製品の移動経路は複雑になりやすい。
  • 機能別に作業員の熟練が可能。

製品別レイアウト

製品の製造プロセスに従って、機器や作業員を配置する。製品の流れを重視する。

  • 製品を優先しているので、少種多量生産に適している 。
  • 作業が単純化、マニュアル化し易い。
  • 工程管理、進捗管理が容易。
  • 仕掛在庫が減少する。
  • 一気に作れるので、生産期間を短縮しやすい。
  • ライン上の一部の機械が故障すると、ライン全体を停止しな ければならない。
  • 製品加工順序の変更に対応しにくい。
  • 万能熟練作業者の養成が困難。

セル生産レイアウト

原料から製品に至るまでの異なる機械をグルーピングしてレイアウトする。そのグループをセルと呼ぶことからセル生産方式と呼ばれる。

  • ライン生産方式に比べると工程間のバラツキが最小化される。
  • 工程内の仕掛品か少なくなる。
  • ライン生産方式に比べて、規格の変更、多種少量生産(変種変量生産)に柔軟に対応しやすい。
  • ライン生産方式に比べて設備投資の負担が少ない。
  • 作業者は製品の完成形まで担当することで、モチベーションが向上し、技術伝達も確実に行われる。
  • 不良を作り続けるリスクが少ない。
  • 多能工化への作業者の育成が容易ではない。
  • 新製品への切替えの際、習熟期間が長くなる可能性がある。
  • 作業する熟練作業者が必須である。

と、まぁこんなところでしょうか?
セル生産についてはもう少し深掘りする必要がありますが、また今度にします。