今年の夏は暑い。台風が連発してちょっと和らいだような気もするけど、まだまだ暑い日は続きそうです。
極力外に出ず、涼しいところで過ごすようにしていましたが、人と会うときに気になるのが臭い。気にはするけど、自分では分からなかったりするものです。
で、思い出したのがいい臭いのするゴミ収集車の話。去年だったか?TVで見たのですが、ゴミにある液体を噴霧することでいい匂いに変えることができるって代物。
実は、いい香りの香水も一部臭い匂いを含んでいるそうで、その臭い部分を取り除くとなんだか気の抜けた香りになるとか。
ゴミ収集車の例は、その気の抜けた香りをゴミと混ぜることでいい香りになるというカラクリなんだそうです。
ということは、その気の抜けたデオドラント商品があれば、汗をかいてもいい匂いを発するようにできるのでは?
って、専門家はとっくに取り組んでますよね。そんな商品が出回っていたら教えて頂きたいものです。スメルハラスメントなる言葉もあるようで、するのもされるのも嫌なハラスメントですからね。
負の要素に対応する
さて、組織や社会でも、一部嫌な部分が存在することで全体が最適化されている例があるのではないか?と思う次第です。
どうにもならない頑固爺いがいることで、物事が慎重に進められるとか。
ミスが多い新人に合わせてオペレーションマニュアルを作成することで、誰でも実行できるオペレーションマニュアルが作成されるとか。
負の要素に対応または吸収することで、正の成果に変えている例はたくさんあるような気がします。
負も資産
研修などで、「自分の強み・資産を書き出してください。」と投げかけると、ほとんどの人は、5つ以下しか揚げることができません。自分から強みと言うのが気恥ずかしいこともあるかもしれません。
しかし、失敗した経験もあなたの資産ではありませんか?と投げかけると、あっという間に20個書き出す人が出てきます。見方を変えると、結構強みってあるものです。
「過去の大きな事故の経験が、絶対の安全運転を自分にもたらしている(他の人より事故の怖さを知っている)」とか
「身内を病気で亡くしたことで、部下の家族のことまで気遣える」とか
皆さん自身にもあるのではないでしょうか?そして、組織にもそんな歴史があったりしませんか?
そもそも負は伸びしろ
工場ではボトルネックという言葉が使われます。一連の流れの中で作業がつっかえてしまう工程のことです。ボトルネック以外の工程を改善してもアウトプットは増えません。
例えば、ボトルネックの前の工程を改善しても処理待ちが増えるだけです。また、ボトルネックの後ろの工程を改善しても、ボトルネックの処理能力に変化がなければ、改善した工程に流れるモノが増えないので、結局アウトプットは増えないのです。
だから、ボトルネックの生産性をあげることが全体の生産性をあげることになるのです。
そして、一つのボトルネックが解決すると、次に生産性が悪い工程が新たなボトルネックとなります。そのボトルネックを解決すると次のボトルネックが…。それを繰り返して工場は生産性をあげていくのです。工場の場合、ボトルネックという負の部分が全体の伸びしろになっているんですね。
負を正の成果に変える戦略
一般的に、成長戦略を考えるときには、市場の機会に自社の強みをぶつけます。弱みを補うより強みを生かす方が競争優位に繋がるからです。「負=弱み」でなく、負への対応も強みと考えると戦略の幅が広がるかもしれませんね。
そろそろ次年度の事業計画作成にかかられる会社もあるのではないでしょうか?環境分析の際には、この視点を持って取り組んでみてはいかがでしょうか?